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<Automatic初来日直前インタビュー>誰かの魂に響く曲を生み出すために、果たすべき義務がある

Automaticは、Izzy Glaudini (シンセ/ボーカル)、Lola Dompé (ドラム/ボーカル)、Halle Saxon (ベース)の3人によって、2017年にLAで結成。2019年に同地の名門インディーレーベル、Stones Throw Recordsからアルバム『Signal』でデビューするも、世界はパンデミックに見舞われ満足な活動が困難に。そのさ中に、2ndアルバム『Excess』をリリース。未曽有の事態も落ち着き、再び世界を回ることができるようになってからは積極的なライブ活動を行い、本国のみならずUKやEUでのツアーも軒並みソールドアウトさせた。

紆余曲折の中で着実にプロップスを高め、このたび初のアジアツアーが実現したことを記念しての日本語では初となる独占インタビュー。パンデミックから現在までのメンタルの変化や、LAのシーンのこと、そしてそもそもAutomaticとはどんなバンドなのか、そのサウンドや活動の指針について、HalleとLolaに話を訊いた。

◆LAのシーンや所属レーベル、Stones Throw Recordsについて

Halle:感情の起伏が激しかったです!私はもともと感情的な人間で、世界的なパンデミックの中に生まれた美しさや混乱によって、気分がジェットコースターのように揺れ動きました。そして、再びこうして世界を回れるようになって、本当に幸せです。世界のさまざまな場所に行けることは、この仕事の醍醐味の一つなので。しかし同時に、ツアーが私たちの環境に与える負担についても考えなければならず、その状況を受け入れることが難しいときもあります。

Halle:はい、Cibo Mattoに夢中です!私とIzzyは初めての日本なのですが、私たちのマネージャーの1人であるJodieは、日本に10年以上住んでいたことがあり、その頃の素晴らしい話をたくさん聞かせてくれました。彼女がふだん通っていた場所に行ってみたいですし、ロカビリーやタトゥーのシーンにも影響を受けたそうなので、そういったカルチャーにも触れてみたいですね。

あとは、日本の庭園や、鹿がたくさんいる場所に行くこともすごく楽しみにしています。ほかにも、日本人にはお酒を全く飲まない人がたくさんいて、ノンアルコールの美味しいドリンクが充実していると聞きました。それってすごくナイスだなと思っていて、早く飲んでみたいです。

Halle:それはほんとうに素晴らしい!Sextileのクルーは私たちにとってとても大切な存在で、私たちは彼らの大ファンでもあります。彼らはコラボレーションやサポートの精神を持っていて、それはLAのシーンでは珍しいことです。そんな中でも、私たちはみんなZebulonというべニューが大好きなんです。環境もブッキングもとてもグッド。そして私たちの所属する、Stones Throw Recordsもまた、とても協力的な環境でコラボレーションに積極的です。レーベルの運営するGolidlineというレコードバーも、コミュニティを見つけられる素晴らしい場所になっています。

Halle:ですよね!レーベルを主宰するPeanut Butter Wolfがやることには、みんないつも驚かされるんです。彼はヒップホップ界で消えない足跡を残した人物として知られていますが、いろんな音楽に夢中な人で、何千枚ものレコードを所有しています。そして、多ジャンルにわたるバンドやアーティストと契約してきた歴史があって、決してヒップホップだけではない。しかし、私たちのように少しマイナーなリリースが多いので、その事実はあまり知られていないかもしれません。

ですが、見方を変えると、彼はリスクを取ってマイナーなものを嗅ぎ分けてきたからこそ、世界最高のヒップホップアーティストを発掘することができたとも言えます。そして、そんなアイコンたちと同じレーベルに所属していることに、私たちはいつも驚きと感謝の気持ちを抱いています。

◆制限によって生まれる創造性

Lola:私たちはとても視覚的なバンドで、映画や本などから多くのインスピレーションを得ています。視覚芸術と音楽のコラボレーションが大好きで、私は特にファッションと音楽のクロスオーバーに昔から興味を持っていました。双方の人たちが、お互いをアーティストとしてサポートし、尊重し合えば、とても楽しい相乗効果が生まれると思っています。

ファッションは私が音楽を始める前の主な表現方法で、今でもライブをするうえで大切にしている要素の1つです。ここ数ヶ月は、アジアツアーのために衣装を集めていて、今のところカウガールドレス、ミーム(道化師)の衣装、そしてチアリーダーのスカートを持っています。

Lola:父と、姉もまた素晴らしいミュージシャンで、家族全員が私の活動を応援してくれています。私は彼らの意見を信頼していて、デモを送ったときに率直で価値あるフィードバックをもらえることがほんとうに嬉しいです。また、幼い頃から素敵な音楽に触れる機会を与えてもらえたことにも感謝しています。最近は、私が発見した新しい曲の中から父の好きそうなもの選んでプレイリストにして送ることを楽しんでいます。

Halle:私たちの目標は常に、影響を受けたさまざまな音楽にある最良の要素をすべて引き出し、それらを私たち自身の感性を通して採り入れ、そこから、できれば新しい何かを生み出すことです。

Halle:私たちは常に他とは異なる存在でありたいと思っています。とはいえ、私たちは3人とも、音楽学校に通っていたわけでも、Canのように教会で1日23時間リハーサルするわけでもありません。では、自分たちの思い描くサウンドを作るためにどうするのか。ただ音楽を聴いて、それを愛し、感じ、自分たちが作る音楽に感情を込める。そして、自分たち自身がほんとうに良いと思えるものを作ることに努めてきました。その中で、Automaticを結成した頃から、あなたがミニマル、ローファイと言ったように、ある意味で自分たちを制限することによって創造性や独自性を引き出すことが、制作の起点になっています。

Halle:『Signal』は、どちらかというとパーソナルな作品だったと思います。砂の上に線を引いて、「これが私たち、私たちは他とは違う」と言っているようなイメージです。そして、『Excess』はパンデミック中に制作していたこともあり、間違いなく私たちの周りの世界で起きていることが作品の内容に大きく作用しました。その広い視点へのシフトは、今でも私たちに影響を与えています。

◆お金の話?そんなことは忘れてください

Halle:私たちはライブでパフォーマンスすることをほんとうに大切に思っていますが、私たちは世界でもっともアニメーション的(動きのある)なバンドというわけではないので、そのことが誰にとっても明らかではないかもしれません。それでも、オーディエンスに私たちの思う正しい体験を提供できるようにしたいので、サウンドや演奏の仕方には深くこだわっています。常に音響スタッフとも連携を取りながら素晴らしいショウを届けられるように努力しているので、楽しみにしていてください。

Halle:実際のところ、バンドやアーティストでいることはほんとうに大変な時代で、そこに苦々しい気持ちを抱かずに活動することは難しいと思います。そんな中でも、世界で起きている重要なことについて話し、私たちのプラットフォームを良い方向に活用することが果たすべき義務だと感じています。ただ楽しいだけではないんです。お金の話?そんなことは忘れてください。

とシリアスなことを言いつつ、私は曲を演奏したり音楽を聴いたりすることに、いつも喜びを感じています。世界で何が起きても、人から魂に響く曲を聴く純粋な喜びを奪うことはできません。そして、もし私たちの音楽が誰かにとってそんな存在になれたなら、そんな音楽を提供できたなら、それはこの上ない特権だと思っています。

Lola:3枚目のアルバム制作に取り組んでいます!ミックスはほぼ完成していて、これからアルバムアートやミュージックビデオなどのビジュアル制作に取り掛かるところです。

Lola:このバンドを始めたときから日本でツアーをすることにワクワクしていました。みなさんのために演奏できることが待ちきれません!

インタビュー・文:TAISHI IWAMI 
トップ写真:Dana Trippe
協力:Stones Throw Records


Automatic Japan Tour 2024 in Tokyo

Date : 2024.12.1(SUN)
Place : CIRCUS TOKYO
Open / Live Start:18:00 / 19:00
Adv : 5,500yen (+ 1drink Fee 700yen)

Live:Automatic, bed
DJ:ORM, SUPERFUZZ DJs

■Tickets
https://superfuzz2019.zaiko.io/item/366737
https://eplus.jp/automatic

Automatic Japan Tour 2024 in Osaka

Date : 2024.12.8(SUN)
Place : NOON+CAFE
Open / Live Start:18:00 / 19:00
Adv : 5,500yen (+ 1drink Fee 600yen)

Live:Automatic, bed
DJ:SUPERFUZZ DJs

■チケット購入
https://superfuzz2019.zaiko.io/item/366738
https://eplus.jp/automatic/


SUPERFUZZ

Date: 11.29(Fri)
Place: Shibuya Studio Freedom
Open / Close : 23:30 / 5:00

Entrance: 3,000 yen (Door Only)
*Entrance Free with Automatic Japan Tour 2024 ticket

Live: Automatic / bed / HOME
DJ: HALU / SUPERFUZZ DJs (KEIGO / MUSASHI / TAISHI IWAMI)


SUPERFUZZ in Osaka

Date: 12.7(Sat)
Place: Alffo Records
Open / Close: 18:00 / 23:00
Entrance: 2,000yen + 1 drink fee (Door)
*Only 1 drink Fee with Automatic Japan Tour 2024 ticket

DJ:
Automatic
monchi
OHNO SHINSUKE
村田タケル
ナカシマセイジ
SUPERFUZZ DJs (MUSASHI / TAISHI IWAMI)